2015年10月29日

菅野マナミ『ひまわりさん(6)』

〈2015年漫画感想30冊目〉
菅野マナミ『ひまわりさん(6)』


 古書店ひまわり書房に集まる少女たちの姿を描いたゆるふわ青春漫画の第6集。今巻も相変わらず,素敵な物語が満載で嬉しいです。久しぶりにさくらとりんが登場しましたし,学生時代のお兄さんと先代ひまわりさん,それに夕さんの姿を堪能出来たのも楽しい。惜しむらくは都さんの出番が全くなかったことかなあ。まつりや奈々子,立花,亜美に風子を加えた女子高生勢がそれぞれに魅力を炸裂させる物語が多かったように思います。それを見守るひまわりさんとあやめさんの姿がまたいいのですけれども。意外に表情豊かなひまわりさんを見ているだけでも楽しくなってしまう巻でありました。特に風邪とプリンの物語で見せるひまわりさんの満面の笑顔は本当に素晴らしい。幸せになります。あと,お兄さんと先代ひまわりさんの会話を観てちょっぴり妬みを見せる夕さんが意外。先代ひまわりさんの小悪魔ぶりが最高です。回想でしか登場出来ないので仕方がないのですが,もっと出番が欲しいところです。夕さんとの学生時代をもっと見たいなあ。

 今巻で一番お気に入りは第43話で描かれる風邪ひきひまわりさんのお話。前話で雨の中で燥ぐまつりと奈々子を受けて,何故か風邪をひいてしまうひまわりさんが可愛い。熱で朦朧としていて口調が定まらないのも妙に素敵に思えます。あの口調はやはり意識的なものだったのかと実感しました。そして,お母さんとプリンの想い出も素敵。先代ひまわりさんに何処となくお母さんを重ねていたことに気付くあたりは切なさも感じてしまいます。勿論,風邪ひきひまわりさんを心配して一日中抜け殻みたくなっていたまつりも可愛いです。いい子過ぎるなあ。そのまつりと奈々子,亜美,立花の友情が本当に美しい。彼女たちの学園祭が描かれる第47話から第49話の一連のお話も大好き。亜美を優しく窘めるひまわりさんと呼びに来る奈々子が印象的でありました。亜美の落ち込む,というか自己嫌悪というのもちょっと珍しい気がします。直ぐに立ち直るのが彼女らしいですけれどね。一方で学園祭の華であるファッションショーにかける立花のお話も大変宜しい。まつりに感化されてファッションショーに出展する衣装の製作に取り組む彼女の姿がたまりません。モデルを頼んだ子が急遽出られなくなった為に代役となるのが風子というのも素敵。風子の華やかな衣装は大変に眼福でありました。学園祭の最後にまつりたち5人娘が全員で浴衣姿を披露してくれたのも嬉しい。まつりを見守るひまわりさんの保護者目線はあやめさんでなくても頬が綻ぶというものでありましょう。

 相変わらず,ひまわり書房を中心とした登場人物たちの穏やかな日常がたまらなく魅力的であります。特に亜美や立花,奈々子たちの出番が多かったのは本当に嬉しかった。ひまわりさんやまつりは勿論なのですが,それ以外もみんな素敵な娘さんたちなのですよね。物語としてはそれ程劇的な展開が用意されているわけではありませんが,多感な年代の少女たちの揺れ動く想いが繊細に描かれている印象があります。それを見守る大人としてのひまわりさんやあやめさんといった図式が大変に好み。是非とも,このまま末永く続いて欲しいものであります。
タグ:菅野マナミ
posted by 森山樹 at 21:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画感想
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