2015年06月29日

手代木史織『聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝(13)』

〈2015年漫画感想12冊目〉
手代木史織『聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝(13)』


 牡羊座シオンの戦いを描く『聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝』第13巻。これまでとは異なり1巻での完結という体裁を取っていません。これはこれで素直に嬉しい。そして対峙する敵が本篇で圧倒的な存在感を見せた時の神カイロスというのも意外性がありました。自らの欲望を満たす為に人間の運命を弄ぶカイロスの邪悪な意志は健在。その強大な神に牡羊座シオンとともに立ち向かうのが蟹座マニゴルドというのも楽しいです。それぞれの師がハクレイとセージの双子ということもあって意外に関係の深いふたりですが,遂に本篇では共闘することはありませんでした。此処に来ての共演は聖戦を見守って来た身からすると感慨深いものがあります。また,冒頭にユズリハとトクサが登場しているのも楽しい。このふたりを主役とした外伝はいつ単行本に収録されるのでしょうか。

 牡羊座の黄金聖衣を求めてシオンとマニゴルドが訪れたのはカイロスによって時を閉ざされた牢獄の街。これだけを見てもカイロスの圧倒的な力が分かります。そして,鍵を握るのは先代牡羊座の黄金聖闘士アヴニール。ハクレイとセージの親友でもあるアヴニールが実は滅びの未来からやってきた聖闘士だったというのは意外性があります。代々ジャミールの一族によって伝えられてきた牡羊座の聖衣の異端児ということにもなるのでしょうか。聖衣との強い同調能力を有するが故に危険視されていたシオンを導くアヴニールの遺志が素敵。聖衣とは代々受け継がれていくものということを実感します。カイロスの分身を前にして一歩もたじろがないマニゴルドの格好良さも異常。本篇の活躍も印象深いのですが,このシオン篇でもその魅力を存分に発揮してくれました。マニゴルド篇で扱われた暗黒聖闘士との戦いにも僅かではありますが触れられていたのも良かった。この外伝シリーズは様々な形で黄金聖闘士同士の意外な関係を見せてくれるのが楽しいです。作者の原作愛を随所に感じるのが嬉しい。

 今巻だけでは決着がつかなかった牡羊座シオンの物語が如何に帰結を迎えるのか楽しみ。牡羊座の黄金聖衣に宿る過去の記憶に触れることで新たな力に目覚めるシオンは如何にカイロスを撃退するのでしょうか。とは言え,カイロスは本篇でも天魁星メフィストフェレスの杳馬として登場しているように今回の物語だけをもって滅ぼすことが出来ないのも事実。必然的にややすっきりとしない帰結になってしまうのも止むを得ないのかもしれません。但し,恐らくは次巻も牡羊座シオンの物語は続くということで新たな展開が予測されるのも楽しみ。聖戦を生き残ったシオンだけに本篇終了後の物語も期待出来るかもしれません。個人的には生き残った冥王ハーデス陣営の物語にも触れて欲しいもの。いずれにしても,この外伝シリーズも残り僅かの筈。如何なる結末を見せてくれるのか楽しみです。
posted by 森山樹 at 06:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画感想
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