2015年01月18日

手代木史織『聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝(12)』

〈2015年漫画感想2冊目〉
手代木史織『聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝(12)』


 前聖戦で戦った黄金聖闘士たちの過去を描く『聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝』の第12巻。今巻では双子座アスプロスの戦いが描かれます。前巻で描かれたもうひとりの双子座の聖闘士であるデフテロスと時系列的にはほぼ同時期。天損星ケートスの冥衣を巡る戦いが舞台となります。対するは天寿星ヴァンパイアの冥闘士エアハート。ヴァンパイアの名に相応しく天損星と天寿星,ふたつの魔星の力を取り込む強敵でありました。とは言え,終始アスプロスが圧倒したように思います。後の幻朧魔皇拳に繋がる伏線も楽しめました。また,アスプロスが教皇を目指すに至った真意も興味深い。闇の一滴に狂わされなければ,真に教皇たる人物であったように思います。

 今巻で重要な立ち位置にあるのがケートスの冥衣を受け継ぐウォールデン家のクリスとウルスラの姉妹。魔星に選ばれ冥闘士としての覚醒を余儀なくされるクリスとそれを羨み魔星を奪うべく奔走するウルスラの姿が悲しい。運命に流されることへの拒絶をクリスに教えたアスプロスは真に正義の聖闘士と言えるでしょう。或いはその姿に同じく運命に翻弄される自分とデフテロスの双子の姿を見たのかもしれません。意外な程にクリスに対して好意的なアスプロスが印象的でありました。また,明確な描写はありませんでしたが,クリスとウルスラの従兄が天猛星ワイバーンのラダマンティスと推測されるのが面白い。本篇では遂に戦うことのなかったアスプロスとラダマンティスでしたが,ともに最強の名を冠するに相応しいふたりだけにその戦いを見たかったように思います。

 双子座の外伝はデフテロスとアスプロスで一本化されると思っていたので,別個の物語が描かれたのは嬉しい。実際のところ,ふたりの戦いは本篇で既に語り尽くされていたように思います。常に我を求めたアスプロスを掘り下げた意味で素晴らしい番外篇でありました。残すは牡羊座シオンのみ。次代の教皇となる重要な人物だけに如何なる物語が綴られるのか楽しみにしています。他の外伝よりも若干長めになるとの予告も期待感を煽ります。牡羊座シオン篇をもって,この外伝シリーズが完結するのかも気になるところ。個人的には冥闘士側のパンドラやアイアコス,ラダマンティスらの物語も読んでみたいものです。特に遂に本篇でその伏線が解消されなかったアイアコスの物語は是非とも。
posted by 森山樹 at 10:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画感想
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