2016年02月07日

空知英秋『銀魂(62)』

〈2016年漫画感想6冊目〉
空知英秋『銀魂(62)』


 舞台を宇宙へと移し,天照院奈落を統べる虚との戦いが激化する『銀魂』の第62巻です。表紙が陸奥なのは巻数に掛けたものでありましょうか。時間の経過がいまいち分かりかねますが,真選組が江戸を去ってから或る程度の時間は経過している模様。行方不明となった鬼兵隊の高杉を救う為に万事屋の銀時だけではなく攘夷派の桂に快援隊の坂本と勢揃いする展開が熱い。また,鬼兵隊のまた子や万斉の活躍も楽しいです。そして,意外な形で再登場を果たした星海坊主の思惑が興味深い。高杉と手を組みながら,現在は行方不明の身である神威との決着をつける為に戻ってきました。虚と星海坊主という意外な対峙の形が熱かったです。今回は矛を交えることはありませんでしたが,どちらが強いのかは全く想像することが出来ません。銀時と高杉,銀時たちと吉田松陽こと虚,星海坊主と神威と,これまでに培われた伏線が一気に解消されようとしているところに物語が終局へと突き進んでいることを感じます。そんな真剣な展開にも関わらず,空かさず笑いを投げ込んでくるあたり,流石は『銀魂』といったあたりです。それが興を殺いでいないのは素晴らしい。

 今巻は信女によって虚の正体の一端が明かされました。同時に吉田松陽との関連性もまた明らかになりました。不死の化物である虚を相手に如何なる戦いが今後待ち受けているのか楽しみ。先ずは巻末に登場した宇宙海賊春雨十二師団の三凶星が相手ということになるのでしょうけれども。しかし,勢力がほぼ完全に二分されて,構図としては分かり易くなった気がします。また,銀時たちを追って宇宙へ上がった徳川喜々はあっさりと銀時たちに撃破されました。捕虜にしたことで厄介な火種を抱えた気がしないでもありませんけれども。喜々を殴り倒した万斉の姿に溜飲が下がりました。いずれにせよ,これで江戸のお妙たちが危険に曝されることはなくなったと見ていいのでしょうか。喜々に諭す坂本が格好良かったです。しかし,舞台が宇宙になったことで真選組やお妙,月詠,さっちゃん,全蔵らの出番が全くないのが残念でなりません。或る程度の宇宙篇が終わったら,最後の決戦の舞台は江戸だと思いますけれどね。先ずは高杉と神威の消息を掴むことが重要であります。現在は神楽や神威の故郷である惑星・烙陽が戦いの舞台となっています。阿伏兎も重要な立ち位置で登場しているのが嬉しい。星海坊主と阿伏兎の組み合わせは妙に気に入っています。どちらも神威に手を焼かされた者同士の共通点といったところでしょうか。その神威は全く姿を見せず。如何なる形での再登場となるのか楽しみです。

 物語も終盤ということで怒濤の展開が続きます。とは言え,分かり難かった戦いの構図が一新されたのは好印象。いささかすっきりし過ぎた気もしますけれども,これくらいの方が分かり易くてよいです。いずれにせよ,銀時,桂,坂本,高杉の4人が再び手を取り合うことになったことは確定したと見ていいのでしょう。それは坂本を除く3人にとっては師である松陽と対峙する道を選んだということでもあります。この戦いが如何なる帰結を迎えるのか楽しみでなりません。これまでに登場した仲間たち全てに一定の活躍の場が与えられる筈。自分の好みの登場人物がその中で如何に格好良さを発揮してくれるのか楽しみでなりません。

(集英社 2016年)
タグ:空知英秋
posted by 森山樹 at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画感想

購入記録(2016.02.07)

雲田はるこ 昭和元禄落語心中(3) 講談社 ¥540
雲田はるこ 昭和元禄落語心中(4) 講談社 ¥540
雲田はるこ 昭和元禄落語心中(5) 講談社 ¥540

『昭和元禄落語心中』を5巻まで購入。
現在は師匠である八雲と助六の過去篇です。
与太郎や小夏の出番がないのは残念。
早く現代篇に戻って欲しいものであります。
これだけ過去篇に尺を割くというのは重要性が高いのでしょうけれども。
久しぶりに寄席に足を運びたくなる作品です。

〈2016年漫画購入覚書〉 計32冊
posted by 森山樹 at 13:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入記録