2015年09月20日

椎名高志『絶対可憐チルドレン(43)』

〈2015年漫画感想22冊目〉
椎名高志『絶対可憐チルドレン(43)』


 松風もすっかり定着してきた『絶対可憐チルドレン』第43巻です。前巻に引き続く〈ロスト〉と〈姿なき侵入者〉の全篇,そして〈ステイ・ウィズ・ミー〉の序盤が収録されています。高校生篇になってから頓に学園生活が中心になっており,それ以外のキャラクターの出番が減っているのはちょっと残念。だからこそ,〈ステイ・ウィズ・ミー〉での宿木明,犬神初音,小鹿圭子の再登場は嬉しかった。尤も,小鹿主任は出番が少なそうではありますけれども。明も初音も成長が窺えるのは嬉しいです。チルドレン以外の部隊を指揮することになった松風は試金石となるお話となりそう。〈ロスト〉での活躍を受けて,バレットやティムとの関係も一応改善されました。暫くは松風中心で物語は進んでいきそうですね。未だに黒い幽霊との関連性への疑義が払拭されたわけではないのですけれども。このあたりはいずれ顕在化してくることでありましょう。いずれにしても高校生篇の最重要人物となることは間違いありません。

 〈ロスト〉では間接的にとは言えギリアムが登場。彼の言う第三世代の人工超能力者との戦いは更に苛烈になることでありましょう。松風の局部に深刻な打撃を与えたファスナー使いも結果的には黒い幽霊に回収されました。その意味では善戦はしたものの黒い幽霊の勝利だったということになります。今後も黒い幽霊の,ギリアムの悪意が世界を侵食することになるかと思います。ファスナー使いも強化されて再登場しそうな気もしますね。〈姿なき侵入者〉はその黒い幽霊から奪取した人造レアメタル結晶を巡る物語。兵部の過失で紛失したことに因る騒動が楽しい。パティやバレット,ティムら,かつて黒い幽霊の洗脳を受けていた者たちに影響が大きかったというのはやはり気がかり。未だに黒い幽霊の呪縛に捕らわれているということになります。尤も,パティが解放される契機となったのが腐女子としての妄想力というのは期待通りでありました。当番回がないことを嘆くカズラが可愛かったです。カズラは大好きなので当番回を設けて欲しいなあ。そして,生徒会副会長の金城さんの意外な働きが楽しかった。何気に出番が増えているのが嬉しい。また,ブルースター財団との絡みで悠理やナイの登場も僅かに有りました。いずれは再び主役の一角を担って欲しいものです。

 高校生篇になって更に面白さが増しています。松風の投入に最初はやや不安があったものの学園生活が舞台ということで上手く機能しています。皆本との棲み分けも素敵。バレットやティムだけではなく,カガリや東野あたりとのお話もいずれは期待出来るかな。一方でやはり学園生活が中心に据えられたことで割を食っている人物も多いです。特にナオミは中学生篇でも出番が少なかったですしね。ザ・ダブルフェイスのふたりも全く登場しないしなあ。寧ろ,P.A.N.D.R.A.の面々の方が出番が多いのは気のせいか。P.A.N.D.R.A.ではマッスル大鎌の出番を増やして欲しいけれどね。いずれにせよ,登場人物が増えたことでさまざまな人間関係が楽しめそう。黒い幽霊との決着とともに此方も期待していきたいと思います。
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posted by 森山樹 at 07:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画感想