2015年08月18日

椎名高志『絶対可憐チルドレン(42)』

〈2015年漫画感想14冊目〉
椎名高志『絶対可憐チルドレン(42)』


 高校生篇になってから3巻目となる『絶対可憐チルドレン』の第42巻。収録されているのは「アウター・リミッツ」の後半部分と「ロスト」の前半部分。すっかり松風がB.A.B.E.L.の一員として定着してしまっています。チルドレンたちと同年代ということで,皆本や兵部とはまた違った視点から接することが出来るのは得難い存在。代わりにバレットやティムが割を食っている気がしないでもありませんけれども。そして「ロスト」では皆本の代行として,葵と紫穂の指揮を執ることになります。黒い幽霊との戦いが再び本格化する中で彼が如何なる役割を担っていくのかは楽しみ。現段階ではギャグ要員としての側面が強いのですが,偶に光る資質を見せるのも事実。何よりも完全視覚記憶がかなり便利な能力であります。

 「アウター・リミッツ」は風邪をひいて能力を制御出来ない薫が中心のお話。但し,兵部の過去の一端が明かされるのが興味深いです。超能力を飽和状態にまで成長させた挙句に自滅した兵部の母はいずれ本篇でも重要な存在となるのでしょうか。現時点では滅びの未来が一応は回避されたということで,物語の方向性としてはチルドレンの能力の成長とその制御が重要な要素となりつつあります。また,かつて超能力が暴走した兵部を救ったのが懐かしの小夜ちゃんというのが楽しい。このようなところにもJ.D.グリシャムとの繋がりがあるとは思いませんでした。コメリカのザ・リバティーベルズはお気に入りなので再登場を期待しています。「ロスト」は黒い幽霊の能力者との戦いが描かれます。主に松風の股間が危機を迎えるのが楽しい。それはともかく,皆本の薫陶を受けて,未熟なりに指揮官を務める松風が結構頼もしいです。そして,B.A.B.E.L.とP.A.N.D.R.A.が殆ど協力体制にあるというのも心強い。紅葉と澪が素敵です。一番戦闘力が高い薫抜きで,この事態を如何に収めるかを注目したいところ。

 高校生篇になっても面白さは変わりません。ちょっとギャグ要素が多めになっているのは気になるところですが。とは言え,黒い幽霊との戦いが苛烈になっていくことは予想されるので,問題は物語が如何なる方向へと進んでいくかということでしょう。滅びの未来を回避するという大きな目標があった中学生篇とは異なり,少なくとも現時点では明確な結末が提示されていない状況なので,如何なる方向へも進むことはありえそう。明確に互いを意識し始めた薫と皆本の関係がその鍵を握っているように思います。松風がその中でどのような立ち位置となるのかも楽しみ。準主人公的な存在感を確保して欲しいものです。
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posted by 森山樹 at 06:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画感想